
広告費を上げていいか迷ったら、まずここを確認してください
「最近、予約が減ってきた。広告費を増やせば戻るかもしれない」
そう考える先生は少なくありません。実際、弊社で広告運用を代行している中でも、こうしたご相談は多くいただきます。
ただ、そのときに必ずお伝えしていることがあります。
「まず、今のCPAが見合っているかを確認してください」
広告費を上げるかどうかの判断は、そこからです。
まず、今の実来院のCPAを出す
実来院のCPAとは、患者さん1人に来院してもらうためにかかった広告費のことです。計算はとても簡単です。
CPA = 広告費 ÷ ネットからの新規患者数
たとえば、月の広告費が3万円で、そこから6人の新規集客につながっているとします。
30,000円 ÷ 6人 = 1人あたり5,000円
これが、先生の院の現在のCPAです。
この数字が分かれば、広告費を上げたときにどうなるかも見えてきます。
1人5,000円で集客できているなら、広告費を5万円に増やせば、単純計算で10人ほど集客できる見込みが立ちます。
(※ただし、広告費を上げれば上げるほどCPAは少しずつ上がっていく傾向があります。競合の少ない安いクリックから先に消化していくためです。同じ単価のまま無限に増えるわけではない、という点は頭に置いておいてください)
そのCPA、本当に妥当ですか
ここからが本題です。
5,000円というCPAは、高いのでしょうか。安いのでしょうか。
治療院業界では長く「CPAは5,000円以下」という基準が使われてきましたが、今は広告を出すことが当たり前になり、その分クリック単価も高騰しているため、5,000円以下を維持すること自体が、以前より難しくなっているのが実情です。
つまり、5,000円という数字を絶対の合格ラインとして使うと、判断を誤ります。
そこで基準にしていただきたいのが、「自院はいくらまでなら払っていいのか」という上限です。
判断基準は、LTVから計算する
ステップ1:LTVを計算する
目安となるCPAを出すには、まず患者さん1人あたりのLTVが必要です。
LTV = 1年間の総売上 ÷ 1年間のカルテ枚数
ここで注意していただきたいのは、カルテ枚数は「実人数」で数えることです。
Aさんが1月・3月・5月に来院した場合、これは3人ではなく1人と数えます。延べ人数ではありません。
これで、患者さん1人が1年間で平均していくら使ってくれるかが出ます。

ステップ2:LTVの20%が、目安となるCPAです
目安のCPA = LTV × 20%
この20%という水準を見て考えると以下の通りとなります。
LTVが違えば、目安となるCPAも変わっていくことがわかると思います。
LTV | 目安のCPA |
|---|---|
25,000円 | 5,000円 |
30,000円 | 6,000円 |
50,000円 | 10,000円 |
先ほどの、CPAが5,000円だった院で考えてみます。
- LTVが3万円なら → 目安のCPAは6,000円。広告費を上げてよい。
- LTVが1万5千円なら → 目安のCPAは3,000円。上限を超えている状態。広告費を上げるべきではありません
LTVは、院によってもメニューによっても違います
そしてもう一つ大切なのが、LTVは院ごとに違うだけでなく、メニューごとにも大きく変わるということです。
回数券や継続前提のメニューと、単発の施術では、1人の患者さんから生まれる売上が全く違います。
当然、そこにかけていい広告費も変わります。
「うちの院の目安のCPAはいくらか」「このメニューならいくらまで出せるか」
この基準をご自身の中に持っておくこと。これが、広告費の判断で迷わなくなる一番の近道です。
判断は、ここで分かれます
目安のCPA以内に収まっている場合
広告費を上げるという選択をしていいタイミングです。 1人あたりのコストが利益の範囲内にあるので、増やした分だけ集客と売上が伸びる、いい循環に入っています。
目安のCPAを超えている場合
広告費を上げてはいけません。
このケースでやるべきことは、広告の調整だけではなく、ホームページやGoogleビジネスプロフィールの改善などで、予約率を上げることです。
まずはHPの見直しから
改善するために見るポイントはいくつもありますが、今回は3つに絞ってお伝えします。
確認ポイント① メインビジュアル
ではまず、HPの方をチェックしていきましょう。
患者さんがホームページを開いて最初に目にする、上部の画像です。
ここだけを見て離脱してしまうケースは、実際に珍しくありません。
患者さんはスクロールする前に「自分の悩みを解決してくれる院かどうか」を判断しています。判断できなければ、そのままページを閉じます。
ご自身のホームページのメインビジュアルが合格点なのかどうかは、主観では判断しづらいと思います。
ここは、ヒートマップを使えば数字で判断できます。 どこまで読まれているのか、どこで離脱しているのかが可視化されるので、感覚ではなく事実で判断できます。具体的な見方をまとめた記事がありますので、あわせてご覧ください。
▶ 広告を分析・改善しても新規が増えない…原因は別のところにあるかもしれません
確認ポイント② デザインと写真
数年前に作ったまま更新していないホームページや、手作り感の強いデザインは、そのまま「本当に大丈夫だろうか」という印象につながります。
患者さんは日常的に、大手企業や新しくできた店舗のサイトを見ています。目が肥えた状態で来るため、比較の基準はかなり高いところにあります。
たとえば、こんなところに思い当たる部分はないでしょうか。
- 文字が小さく詰まっていて、スマホでは読みづらい
- 写真が暗い、粗い、何年も前のもの
- 知りたい情報にたどり着けない
- 色数が多く、目が疲れる
- イラストやあしらいが、どこか古い印象になっている
治療の腕とは何の関係もありません。それでも、HPだけで判断されているのは事実であり、非常にもったいないことです。
確認ポイント③ 予約導線
ここが最も見落とされがちです。確認していただきたいのは3点あります。
1. すぐに予約できる手段があるか
「予約はこちら」の先が電話番号だけ、というホームページがまだ多くありますが、
・特に若い世代は電話をかけることに抵抗がある
・移動中や夜中にスマホで検索している人も多く、そもそも電話をかけることができない
予約の手段が限られてしまうことで、候補から外れてしまうことが少なくありません。
2. 予約枠が空いているか
Web予約を導入していても、当日・翌日の枠が埋まっていると、そこで諦めてしまう患者さんがいます。
「今日か明日に診てほしい」という方は非常に多く、特に広告から来るライト層はその傾向が強くあります。
逆に、当日・翌日の枠を少し開放するだけで予約数が伸びるというのは、実際によくあることです。
3. 予約に会員登録が必要になっていないか
予約システムによっては、予約前に会員登録を求めるものがあります。ここで離脱する人はかなり多いので、初めての患者さんが登録なしで予約できるかを確認してみてください。
最後に:患者さんの疑問に、答えられているか
3つの確認ポイントを見たうえで、最後にホームページ全体をこの視点で眺めてみてください。
患者さんがホームページで探しているのは、結局のところ「自分の悩みは、ここで解決されるのだろうか」という問いへの答えです。
そしてその答えを出すために、患者さんは次のようなことを知りたいと思っています。
- 誰が施術してくれるのか
- どんな施術をしてくれるのか
- どんな空間で受けることになるのか
- 自分はどういう状態から、どういう状態に変えてもらえるのか
これらに答えるコンテンツが、要素としてひと通り揃っているか。足りないものはないか。
そこを最終チェックとして確認していただくと、改善すべき箇所が見えてきます。
まず、順番を守ってください
整理すると、判断の流れはこうなります。
- 現在のCPAを出す(広告費 ÷ 新規数)
- LTVを出す(年間売上 ÷ カルテ枚数)
- 目安のCPA(LTV × 20%)と比べる
- 収まっていれば → 広告費を上げてよい
- 超えていれば → 広告とホームページを改善して、CPAを下げるのが先
多くの院が、1〜3を飛ばして「とりあえず広告費を増やす」という判断をしてしまいます。そこが最もお金を失うパターンです。
ただ、もう一つお伝えしておきたいことがあります。
CPAが高いとき、原因が広告側なのかホームページ側なのかは、院によって違います。
そして、原因ではないほうを直しても、数字は変わりません。メインビジュアルが問題の院に予約フォームを追加しても、離脱は減らない。逆もまた同じです。
まず必要なのは、自院のどこで止まっているのかを特定することです。
\先生の院のCPA、改善余地はどれくらい?/
【無料診断で分かること】
- 先生の院の限界CPAと、現在のCPAの差
- 予約が増えない原因が、広告・メインビジュアル・デザイン・予約導線のどこにあるか
- 広告費を上げてよい院か、まず改善が必要な院か
